いい移住

若者が都会の喧噪から逃れ、田園の自然の中での生活に魅かれ移住する人たちが後を絶たないらしい、それは都会の騒々しさのみならず、人間関係の生き苦しさや社会の構築されたシステムから離れたい思いからだと思います。

 私は京都生まれの京都育ち、心の片隅にブランドとしてのプライドを少しばかり持ちつつ30年間過ごしましたが、約50年前に近郊ではありますが大阪府境の大山崎町に移住いたしました。多少都落ちの感じは致しましたが、やはり京都独特の因習、風習、底知れぬ人間関係の束縛は耐え難く、自由でありたい、自然の中で自然栽培による菜園をしたいと願う気持ちは今の若い人たちと思いは同じくと思います。

 井上章一著の「京都きらい」はベストセラーになっている。彼は京都生まれですが右京区で洛中でないということで田舎者にされたという実体験から京都を苦々しく思っている様が綴られている。京都大学の建築科を卒業し建築史、都市を通して社会を批判しつつ、常識を疑う立場よりユニークな視点で文化について発信している。

 京都人は本音を言わづ、直接な表現をしないから、本当は何を考えているかわからないと、他府県の方からよく言われる。自分たちの風習をかたくなに守り、維持する姿勢はよそ者を受け入れづ、やわらかい言葉にて表現をしているのかもしれない。京都の町並みも歴史を背景に変わらない、行政も変わらないようにしている。古い町家を保存を兼ねて改修すると評価される。しかし現代社会に対応した生活をするにはつらいところがあります。暑さ、寒さに耐え多少の生き苦しさは我慢が必要なのです。

 エッセイストの麻生圭子さんは京都をこよなく愛し、町家生活を満喫されていましたが、もうたくさんとばかり去って行かれました。思うに他府県から京都の移住は無理だと思います。中に入らず外から眺めている京都が素敵なのです。

竹藪を開墾して家庭菜園に自然栽培にて年間40種類ぐらいの野菜を栽培しています。移住時より増改築しての現在の状況

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事務所も庭先にアトリエとして開設して10年、樹木に囲われ落ち着いてきました。


2023/05/24  comment:(0)

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