「倚りかからず」

最近読んだ、荒木のり子の詩集の中で印象に残った一編

「倚りかからず」
もはや、出来合いの思想には倚りかかりたくない
出来合いの宗教には倚りかかりたくない
出来合いの学問には倚りかかりたくない
いかなる権威にも倚りかかりたくない
ながく生きて

心底学んだのはそれぐらい
自分の耳目
自分の二本足のみで立っていて
何不都合の事やある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

この詩は大変共鳴、感動いたしました。建築の設計を永くやっていて、若いころは「吉田五十八」「白井晟一」のディテールを思いっきり真似をして身につけた。そして実践も致しました。宮脇檀さんから卒業して10年は有名な先生方の真似をしてもかまわないと教えられたからです。むしろ推し進められた気がいたしました。
私にとって倚りかかれるのは、そのころに若き建築家と夜を徹して議論した事、かかわった教師特に大江宏先生及びその師弟たちとのかかわりは甚大な栄養となり蓄えとなったのです。
その知識を大事に引き出しより取り出して倚りかかっています。


2023/07/26  comment:(0)

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