小さなパン屋さん

大山崎の家(HPのPROJECTに掲載)の住人がこの庭先にパン屋をやりたいのでパン小屋を設計をしてほしいとの依頼が昨年の秋口にありました。早速に関係資料を整えるとともに今風のパン屋はどんなもんか調べることが第一と思い、まずはガーディニングは如何すべきか、愛知県長久手の女流ガーディニングプランナーの主催するCAFEを見学することにした。パン屋さんではないのですがガーディニングに対する考えは共鳴するところがあり、実物を見たいと建築家である友人とともに伺いました。造園する上においてより自然に近く自然を大事に扱う空間を創る方とお見受けいたしました。自然な空間は心が癒されます。

 次に北海道は羊蹄山のふもとに中村好文氏設計のパン屋さんを見学に行きました。雑誌で紹介されていたので内容は十分に理解していたので雰囲気だけを感じてきました。実は内部もできたら見学したいと思っていましたが、店内に入るや否やただならぬ緊張感が漂っていたのです。それは商品に対する制作者の思いが溢れんばかりに伝わってきたのです。出来立てのおいしそうなパンを包み込むような空間はさすがと思い実感として感じました。その道中何軒か見学をしましたがいずれも質の高いブーラジュリーがあることを発見しました。

パン屋の敷地(着工前)

さて、今回のパン屋の敷地は道路より一段下がった玄関わきの自然なりのままの放置されたような一角です。 <道路面より2.0m地盤が下がっています。>   なぜこの地でオープンするのか、本人に聞くとただここが好きだからとの答え、ところでサントリーウィスキーの創始者がおいしい水を捜し全国を歩きこの山崎を選んだと聞いています。現在でも水や空気がおいしいかどうかはともかく都会ほど汚れていないことは確かで「天然菌」がすくすくそだつ環境は大事であることは間違いなさそうであります。犬の散歩でしか人が通らないようなところでと思うのですが住人はこの地が大好きで、フランスのリヨンとパリで6年間、東京で5年間修業時代の都会の喧騒から逃れたいのも理由の一つかもしれません。 設計においては新建材をなるべく使わないようにしました。構造材、仕上材はすべて杉の無垢、省エネ、温湿環境を対応するためにも外断熱工法を採用しています。そして何よりローコストのため単純な骨組みを試み豊かな空間を目指しています。 DSC_0806道路面より下がっているため高基礎の工事 棟上げ棟が上がりました。 これから順次報告させていただきます。            


2014/03/14  comment:(0)

コメントを残す